Webの変遷
今どきWebサイトを持っていない会社はないと思います。
しかし敢えてWebサイトは不要だという意見もあります。facebookだけでページを作ったり、ブログだけでというケースもあります。それも一理あります。
私は日常的に外国人とやり取りしていますが、日本の会社のWebサイトは概して不評です。やはり「そう突いてくるか」と納得してしまいます。
- トップメッセージや会社概要など、お決まりの文言で差が分からない。
- 製品の説明は一般論で何が売りなのか分からない。詳細は問合せてくれと書いてあるのに、電話がつながらない。英語では回答が返ってこない。
- httpsに対応していない企業が相当あり表示がブロックされる。
などなど。
Webサイトに限らず、日本の会社は受付も置かず不親切なところが多いです。こうなると、全て外部と接触を遮断して、何か秘密の事業をしているのでは勘ぐられてしまいます。
「昔からいる取引先とだけ仕事をして、新規で何かを始めるときは経営者仲間だけでコラボして始めるんだよ。だけど経営者はひと昔前の成功体験しかないからね。常に新しい感性を磨いていれば別だけど、若手にリスクの高い新規事業を任せないケースが多い。だから、最近の新規事業って失敗ばかりなんだよね。上場企業も何か始めるときは大々的にメディアに声をかけるけど、失敗して撤退するときはこっそりとしか開示しないしね。」長年の友人の弁です。彼も分野は違えど、新規開拓や新規事業が得意な営業マンでした。言い得て妙です。
Webサイトが登場した1990年代前半はエキサイティングでした。「ほう、こんな会社があるのか」とWebサイトのある会社を発見することもエンターテイメントの一つでした。それが、デザイン性が高くなり、レスポンシブになり、SNSと一体化してという時代になりました。しかし、「退屈さ」を感じているのは私だけではないようです。
日本酒の酒蔵は、みな明治以降の歴史を語り、職人(杜氏)の技を横顔で語り。レストランは真上からの盛り付け写真に溢れ、どの料理写真がどのレストランのものだったかいっこうに思い出せず。
私の知り合いの外国人は率直に言います。「日本が大好きだ。日本の商品はどれも素晴らしい。でも、どれがどこのだったか、全然覚えられない。」正直言って、私から見れば外国も似たようなものです。今言ったことは、そのまま外国企業のサイトにも当てはまることが多いと思います。
ただ、共通して言えることは、「Webサイトは営業の顔」で「訪問したビジターを喜ばせなければならない」「それは対応の顧客満足の第一歩」。それに気づかなければ、かえって不評を拡散することになります。
Webを作ることや維持することが目的ではなく、「会社の顔を表現して、新規の顧客や取引先に理解してもらう」という手段の在り方を再考した方が良いですね。
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